自分にとって無線の原点は ~ その1 カッパのワイヤレスマイク「カッパ-7EC」



小学~中学生時代の机の上
マイクが常に手元にありました

アマチュア無線家にとって、誰しも無線に惹かれたきっかけとなる「原点」があると思います。

私の場合は幾つかあるのですが、まずはワイヤレスマイクです。

私と同世代か上の世代の方であれば、かつて月刊雑誌「ラジオの製作」や「初歩のラジオ」などに「ファースト(板倉電気産業株式会社)」のワイヤレスマイク「カッパマイク」の広告が掲載されていたのをご存知の方も多いと思います。

FMラジオに電波を飛ばせるワイヤレスマイクです。旧電波法では100m離れた場所で15μV/m以下であれば資格もいらず、自由に誰でも電波を飛ばせることができたんです。

マイクの形も風防付きのおしゃれなもので、テレビの歌番組などで司会のアナウンサーや歌手が手に持って歌っているマイクと同じようなデザイン。凄く憧れていましたが、自分が実際に使う場面はないだろうと思っていました。

先日実家で自分の書類を整理していたら
懐かしいワイヤレスマイクの取説が

ところが、小学校の5年生の頃だったと思います。

転校して引っ越した先、そのわずか数十メートル先に仲の良い友達ができました。

お互いの家を行き来しておしゃべりするのがとっても楽しい時間でしたが、お互い夕食の時間になると自宅に戻らねばなりません。それが寂しくて……。

そんなある日、別の友人の家でワイヤレスマイクを実際に手に取ってみたことからヒントを得ます。

お互いにこれを持って、別の周波数で話せば、互いの持つラジオで声が聞こえる。同時通話ができる!

そう思いついたからにはいても立ってもいられない状態。

でも、微弱な電波でお互いの家まで届くのだろうかという疑問も。

二人の家の間には1軒別の家が建っていますが、ちょうど互いの勉強部屋が幸い2階にあることから見通せますし、距離としては40m以内。いけるかもとチャレンジしてみることにしました。

「初歩のラジオ」1975年7月号より

まもなくお年玉をもらい、お互いに買ったマイクが「カッパ-7EC」というマイク。エレクトレットコンデンサーマイクです。単三電池1本で100時間も稼働。

そして、「初鳴き」、いや「初QSO」の瞬間は強烈に印象に残っています。最初は酷いノイズだらけでしたが、お互いにマイクやラジオの位置を動かしたりしているうちにノイズなくはっきりと声が聞こえる場所を発見。

この日から毎日、毎晩、まさにラグチュー!

一緒に受験勉強を夜中までおしゃべりしながら頑張ったり、新しく買って来たカーペンターズやサイモンとガーファンクルのレコードをかけて一緒に聴いたり……。無線通信の楽しさを思いっきり満喫しました。

今考えても、これが自分にとっての無線の原点の一つであったのは間違いないと思います。

そして今ではキャリア講演などで若い方々にこの話をすることがあります。というのもこの体験が「無線の原点」だけでなく、結局、自分の将来の仕事を決めることになってしまったのですから。まさに「職業の」いや「人生の」原点でもあったことになります。

講演では中学生から大学生まで様々な年齢の若い皆さんがこの話を興味を持って聞いて下さいます。世代を超えて電波の魅力というのは強いということでしょうか。これは嬉しいことですね。その後1980年代に電波法が改正され、1996年以降は同じ遊びができなくなってしまいましたが。でも、少しでも興味を持って無線の世界に触れてくださればと願っています。

この「カッパ – 7EC」には本当にお世話になりました。

その後、自分自身の楽しみがミニFM放送に発展していくのですが、そのお話はまた改めていずれかの機会に!

取説全文です
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