え?もしかしてこのIC-705、430MHz帯の受信感度が低い?~自分の感覚を信じよう!(先日の修理を巡って)

2024年1月31日



戻ってきた愛機
バンドスコープには沢山の局が……

昨年発売されて以来大人気の無線機「iCOM(アイコム)」の「IC-705」。長時間のバッテリー駆動ができ、小さな筐体ながら、これ1台でHFもV/Uもこなし、さらにFT-8などの設定も楽とあって、購入されて使っている方も多いと思います。

AIMにとっても現在はメインの無線機。

無線の本格的な再開にあたって、まず無線機を新しく……、という気持ちがありました。長年愛用してきた同じアイコムの「IC-706MK2G」の挙動が最近になっておかしくなり、さらに旧スプリアス規格の無線設備しか持っていない関係で今後の免許更新が面倒ということもあり(実際はその後、旧スプリアス規格の無線設備の使用期限が延長されちゃったのは皆さんもご存知の通り)、この機種を購入したんです。

購入当初はまだ無線の再開もヨチヨチ歩きで、電波を出すのはクラブのオンエアミーティングのみ。後はBCLとして短波を聞いていました。

短波受信に関しては専用機並に非常に便利ですし、感度も良く、重宝しています。

が、430MHz帯でのオンエアミーティング、少々、おかしなことに気付き始めます。

AIMは地元の調布アマチュア無線クラブに入っています。そして、我が家は調布市の東端にあります。自宅の集合住宅のシャックは東側の都心方向に向いており調布市内とは逆方向。部屋の外にあるアンテナと調布方面は壁が間に立って邪魔をしているんです。

そこで、仕方なく、西側の部屋に無線機を持ち込み、モービルホイップを取り付けて、室内で運用していました。

そんな環境でも、もちろん、「超」ローカルなQSOですから、他の参加者の皆さんのシグナルはたいていとれるのです。ただ、思ったほど強くありません。

まぁ、室内運用だからなぁ……と、そう思っていました。

とはいえ、皆さん、こちらのシグナルには「59」のリポートを頂きますし、さほど問題はないはず……。

最新鋭の機種。今時の無線機って、そんなものなのかな……というわけで、たまにわき起こる疑念や不安はすぐに否定して、1年間、使い続けてきました。

が、ある日、リグのスイッチを入れて430MHzをなんとなく聞き流していたところ「今日は賑やかですねぇ…」というある局長さんの声が聞こえます。ところがIC-705のバンドスコープを覗いてみても、全然、賑やかじゃないんです。

1~2局出てるだけじゃん。

この日は東側ベランダのアンテナに繋いでいます。

あれ?

あれれ?

あれれのれ?

さすがにおかしいと気付き、このとき、すぐに行動を起こします。同じアンテナに別の古いリグを繋いで聞いてみると……。

うわぁ!こんなに出ていたんだ!

「超」賑やかなバンド内。

これで確信しました。この無線機、おかしい!

もっと早く気付きなさい!と思われるでしょうが、長いこと休眠状態だったAIM。てっきり、今時は無線も下火でこんなものかと思っていた節があります。

ちょうど保証期間が切れるまであと1週間。ギリギリセーフかもしれません。すぐにiCOMのサイトから修理依頼書をダウンロードして作成。無線機と一緒にリペアセンターに送ります。

さて、ここからのアイコムさんの対応は抜群でした。

まず到着の知らせがメールで届き、さらに、途中経過、修理完了と、全行程が1週間ほど。非常に素早い対応ですし、何よりもメールで、状況を細やかに知らせてくださるのは抜群の対応だと思います。

まず検査の結果、25MHz以上で感度が落ちる現象をリペアセンターでも確認していただきました。

そして、その後、受信部のコイルが故障していることが判明。

保証期間ギリギリで無償修理となりました。

良かった!

さて、今回のことで学んだこと、いくつかあります。

1.思い込みや先入観を排して、自分の感覚に正直になること

しばらく運用すれば、おかしいなぁ……と気付くもの。私の場合も「ん?なんだかおかしいよね……」とは思ってはいたんです。でも、それをちゃんと確かめるという次のステップに踏み出すまでに時間がかかりすぎました。そこには「海外製品ならいざ知らず、日本の製品、しかもアイコムの新しい無線機だから、はじめから壊れているはずないよねぇ」という先入観がありました。さらに「我が家は無線に関してあまりいい環境じゃないし、アンテナもホイップだし、こんなものだろうねぇ」という思い込みもありました。それが、当初の「おかしいな」という思いを封じ込めてしまったんですね。自分の感覚には正直に!そして行動はすぐに起こせ!これが教訓の1です。

2.初期不良or故障はあるということ

これ、当たり前ではあるんです。でも、長年日本製品に関しては「神話」みたいに信頼してきた部分があり、そうなると、しかも今回のように「一応使える」状態だと、なかなか、「故障」という事実に気付かないし、そう思いたくないという部分もあります。誰しも故障で修理に出すというのは面倒ですからねぇ!でも、やっぱり電気製品というのは故障は必ず起きるし、場合によっては最初から故障(出荷前に点検はされていると思うので、出荷後、我が家に到着して使い始めた当初までの間に故障が起きたと言うことになります)している場合もあるということも心に留めておいた方が良いと思いました。

3.アイコムの修理対応が非常に丁寧であったこと

これは想像以上だったのですが、前述の通り、かなりスピード感のある修理対応でしたし、メールによる途中経過の報告もありがたく感じました。アイコム製品を長年使っていますが、あらためて、アイコム、いいなぁ……と「一利用者」として思いました。所持している同社の無線機にますます愛着が湧きます。

というわけで、万が一同じような事態に遭遇された方の参考になればと思い、少し長くなりましたが、今回の体験を記してみました。

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Posted by JA1AIM