CQ WPX ~ JTAlertで「Wanted Prefix(es)」アラートを設定するのに躓いた話 ~ その1
昨年より「DXCC100」、「WAS」、「WAZ」とチャレンジしてきたアワード熱。
DXCCをスタートして1年弱。当局のような弱小アパマンハムでもQSOしたエンティティーは150以上になっているのですが、QSLがどうしても130あたりで伸びが鈍化します。WASも無事にMix、10m、12mと達成できましたが、次の15mはあと数州となったところで足踏み。CQ WAZもあと3ゾーンで進展なし。
行き詰まりです。アワード挑戦「あるある」です。
この状態に「やきもき」してもはじまりません。
この間に他に何か取れそうなものってあるのかな……?
そう考えていたところ、「CQ WPX」が目にとまります。CQ WAZと同じくアメリカの「CQ Magazine」が出しているアワード。
異なるプリフィックスを集めるもので、条件によっては300から申請できるというものです。LoTWのページでチェックしてみると「WPX Digital」ですでに260。これはいけるかも!
というわけで、挑戦することにしたのですが……
ふと、気付きます。
まだ未交信のプリフィックスって、いちいち自分のログから検索しないとダメじゃん。それって、すごく面倒だよね……。
こんなとき、「デジタルの威力」を使うのが良いですよねぇ。そう、何か簡単な方法があるはず。
今使っているJTAlertにも未交信のプリフィックスを教えてくれる機能があるんじゃないかな……と、期待して「Settings」を見てみると……
「あった!!!」
「Wanted Prefix(es)」という項目がちゃんとありました……
……が、その設定で大きく躓いちゃいました。
設定できないんです。設定画面が膜がかかったようになり操作できない。ということは何かの基本設定がなされていないことになります。
こうしたときにはGoogleさまさま……
FT8関連で大変お世話になっているJL1JTVさんのページがヒットします。
https://jl1jvt.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-e3cb8a.html
JL1JTVさんが様々な設定方法をご自分で調査され、なんとソフトの製作者さんにも直接尋ねられたようです。
そして、そのおかげで細部にわたり、わかりやすい解説が!そしてアラート機能に関しても。
そっか、ログファイルを「Enable」しないといけないのですね!
OMさんに感謝です。
さて、ところがそこで、きわめて重大な事実に気付かされることになります。
あれ?自分のログって、WSJT-Xで保存され、さらにJTLinkerでハムログに送られているけど、JTAlertではログの設定をしていなかったよね!
そうだったんです。それで十分事足りると満足していたんです。
でも、これが今になって大きな問題を起こすとは思っていませんでした。
このJTAlertのWanted Prefix(es)アラート設定はJTAlertのログを参照するようなのです。そう、初期設定していなかったから、そもそもJTAlert内部にはログが無い!
一応、いくつかのOMさんのページのアドバイスによれば、WSJT-XのADIFログファイル「wsjtx_log.adi」をそのままコピーしてJTAertの所定のフォルダーにペーストし、そこで名前を「log.adi」に変えれば大丈夫と……。
ちなみにJTAlertの所定のフォルダーは
C:\Users\***\AppData\Local\HamApps\***\logs\JTAlertX
にあります。(アスタリスク部分は皆さんそれぞれの環境で違います)
ところがどっこい。
この方法では、JTAlertでEnableすれば確かにWanted Prefixの画面は操作できるようになるのですが、その後がまたトラブル。
「Rebuild Alert Database」の画面から「Wanted Prefix」を「Rebuild」すれば表示されるはずのQSO済みプリフィックス数、冒頭の写真のように何度試してもゼロになってしまうので、WPXアラートが実質、無意味になっちゃうんです。つまり、すべての局にアラートが出てしまう!
こうなると、WSJT-XとJTAlertでは同じadiファイルとはいえ、ログの形式が何かしら違っている可能性があるということですねぇ。
そこで双方を見比べてみます。ああ、確かに!ログの冒頭は当然ながらまず違います。そりゃそうですよね!(アスタリスクは一部伏せ字にしたものです。以下も同じです)
WSJT-Xのログ
ADIF Export
<adif_ver:5>3.1.1
<created_timestamp:15>2023****
<programid:6>WSJT-X
<programversion:5>2.6.1
<eoh>
JTAlertのログ
<ADIF_VER:5>2.2.7
<ProgramID:7>JTAlert
<ProgramVersion:6>2.60.6
<APP_JTAlert_Created:23>2024/0*******UTC
<EOH>
じゃ、手始めにJTAlertのログの冒頭をそのままに、それ以下のQSOデータをWSJT-Xのログデータをコピペしてみては?
ところが、やはり、QSOしたプリフィックスはゼロと出てしまい、読み込んでくれていないのです。
そこで、さらにデータを検証(って大げさですが……)。新しく作ったlog.adiに記録されたログとWSJT-Xのログに記録された同一QSOの記録を見てみると、
WSJT-Xのログ
<call:6>VK3NF* <gridsquare:4>QF33 <mode:3>FT8 <rst_sent:3>-13 <rst_rcvd:3>+02 <qso_date:8>2024*** <time_on:6>021745 <qso_date_off:8>2024*** <time_off:6>021845 <band:3>10m <freq:9>28.074628 <station_callsign:6>JA1AIM <my_gridsquare:6>PM95TP <comment:25>FT8 Sent: -13 Rcvd: +02 <eor>
JTAlertのログ
<CALL:6>VK3NF*<QSO_DATE:8>2024***<TIME_ON:6>021745<QSO_DATE_OFF:8>2024***<TIME_OFF:6>021845<FREQ:9>28.074628<FREQ_RX:9>28.074628<BAND:3>10m
<BAND_RX:3>10m<MODE:3>FT8<DXCC:3>150<COUNTRY:9>Australia<CQZ:2>30
<ITUZ:2>59<CONT:2>OC<RST_SENT:3>-13<RST_RCVD:3>+02<LOTW_QSL_SENT:1>R
<LOTW_QSL_RCVD:1>R<EQSL_QSL_SENT:1>R<EQSL_QSL_RCVD:1>R
<GRIDSQUARE:4>QF33<DISTANCE:4>8058<A_INDEX:2>27
<K_INDEX:4>4.00<SFI:3>197<COMMENT:25>FT8 Sent: -13 Rcvd: +02<PFX:3>VK3<MY_GRIDSQUARE:6>PM95TP<MY_CQ_ZONE:1>0
<MY_ITU_ZONE:1>0<STATION_CALLSIGN:6>JA1AIM<QSO_COMPLETE:1>Y<EOR>
なぁるほど!素人目に見てもJTAlertのログはずいぶん細かく記録していますね。しかも良く見ると終わりの方に
<PFX:3>VK3
というのがあります。つまりJTAlertのADIFファイルはわざわざプリフィックス部分を抽出して記録し、あとで、アラート設定する場合にその部分を抜き出しているのではないでしょうか。ですから、WSJT-Xのデータを読み込ませても、交信済みプリフィックスがゼロとなってしまうのでは?(あくまでPCのド素人である私の想像です)
となると、WSJTーXからJTAlertのログ形式へ変更できるようなインポート方法があれば良いのですが、それがどうしても見つからないのです。
もしかしたらコピペで大丈夫とアドバイスされたOMさんたちは、もしかしたらこのPrefix Alertをお使いになっていなかったのか、必要ないと思われていたのかも知れませんね。あるいは、その頃はまだログの書式が同じで可能だったのかもしれませんね。こちらもド素人である私の勝手な想像ですが。
と、こうなってしまうと手も足もでません。残念ながら、この手法はあきらめるざるを得ませんでした。残念無念!
これからJTAlertを使う方は、私のようにログ設定をスキップなさらないようにアドバイスしたいと思います。あっ、私のような「ものぐさ」さんは、そうはいませんよね!(笑)
とりあえずLoTWのページで今までに交信したプリフィックスの一覧を出して、都度、「Controlキー」+「Fキー」という「超」古典的な検索方法で確認するということをやってみたり、ハムログでコールサイン検索などもやってみました。やや煩雑ではあるのですが、CQを出している局が2度目にコールしてくだされば、そこで確認を終えて呼びかけできます。そして、LoTWに登録している局を中心に狙ったところ、意外と局数が稼げて、この日の3時間ほどで新たに15局分の新プリフィックスがとれました。ということは300まで、意外と大変ではないかもしれないという予感がします。
もしかしたら1~2週間くらいで300、行けるかも!とも思いますが……、よぉく考えると、急ぐアワードでは全くありません。
であれば逆転の発想で、のんびりと、1日1つ、新しいプリフィックスを……、という楽しみ方を続ければ、これから1ヶ月は楽しめますね!
と、ここまで書いたのですが、やはり、どうしても古典的な検索方法では15秒という速度勝負のFT8の世界、遅れをとってしまうので、どうにもフラストレーションが溜まってきます。
そこで、さらに調べた結果、とりあえずこれなら……という方法を発見!それは次回の話に(こちら)!
ご注意:ここで扱っているログファイルは非常に重要な物です。私の場合、色々と実験をしていますが、なにせPCの素人です。そのせいで、JTAlertやWSJT-Xなどのソフトに様々な影響が出る可能性があります。このページに書いたことは鵜呑みにせず、ご自分で是非他のサイトなどをご覧になって自己責任でお願いします。そして、ログのバックアップは必ずとっておいてくださいね!
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